苦難は人を

苦難は人を…

座右の銘などという、気取ったものを肝に銘じて、生きていこうなどと気負っていたものだ。
両親や親戚に、将来は公務員がいいといわれた。
勉強したはいいものの結果は出ず
大学は第一志望には進学できず、公務員試験も受かることができなかった。
勉強や頑張りなどひけらかしていたわけではないが、みんなからちやほやされ、内心自分も調子に乗っていた。
ある意味自分は典型的な意識高い系であった。
世間体を気にするとかえって自分を駄目にしてしまうようだ。
自分は大したものではないので、身の程をわきまえたほうがいいだろう。
バカほど目立ちたがり屋だ。
だんだん年を重ねるにしたがって、世の中斜に見るようになってくる。
するとどうも名言などというものが鼻持ちならなくなってくる。
苦難は人を強くする。
この言葉が好きで、いつも何かあったりすると口ずさんでいた。
ところが今ではそんな言葉を言うのは、すっかり恥ずかしくなってしまった。
バイトをしていた時、上司に「ノイローゼになるくらい頑張れと言われた。」
しかし、その上司は疲れていて、表情はどこか余裕がありそうではなかった。
苦難は人を苦しめる。
苦難は人をいじけさせる。
苦難は人をひがみっぽくする。
苦難は人をひねくれものにする。
苦難は人を駄目にする。
しかし苦難を乗り越えた人はたくさんいる。
彼らを批判するつもりはないが、成功者気取りするのはやめて欲しい。
テレビやYoutubeでそういう人を見ていてどうも耳が痛くなってしまう。
今どきは言葉をそのままの意味通りになる。
情けは人の為ならず。
情けをかけるのは人の為にならないと
絵本を見ていて気が付いた。
舌切り雀じゃなくて舌切られ雀だ。
こぶ取りじいさんじゃなく、こぶ取られじいさんだ。
うさぎとカメの話はどこかで聞いた、歌では山の麓までの競争のはず、
絵本の絵は、山の頂上にまで亀は登って旗まで振っていた。
変に思えば、何でも変だ。
人はやっぱり素直にならななきゃ駄目なのか

戻る